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世界の旅日記や 文化、歴史のぷち・エッセイを書いています。他にも海外、国内のお気に入りのドラマのあらすじ&感想を勝手気ままに綴っています。

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西側世界が中東に打った楔 ベイルート

西世界が中東に打った楔 「ベイルート」

予約投稿
レバノン2
120311

「ベイルート」其処は地中海に面した港町、レバノンの首都 。

まずはプロフィール。
 人口377万人 面積10400k㎡(岐阜県とほぼ同じ)
 エミール・ラフード大統領
 通貨 レバノン・ポンド

この地域は東地中海の要所であるがゆえに、いかなる時代にも近隣諸国の圧力を受ける運命にあった。 
 古代 バビロニア、アッシリア、エジプト、ペルシャ、ギリシャ、ローマ、
 中世 ビザンチン帝国、マムルーク朝、十字軍
 近代 オスマン・トルコ、フランス
その度に、住民は完全に支配されることはなく、独立と自由を守るべく果敢な抵抗を示してきた。


レバノン地図
レバノン地図


現在のレバノンの沿岸部は、ベイルートとトリポリが代表的な都市となっているが、古代フェニキア時代は、シドン、テュロス、ビブロスなどが中心だった。
フェニキア人の海運交易の拠点として、約2000年間(BC2700~450年)
の長きに渡って栄光の時代を画した。

やがてベイルートはローマ市民権の利益を得て、ローマ時代から繁栄を始めた。
3世紀に法律学府が設置されると、国際文化の拠点地となり、アテネ、アレキサンドリア、カイサレアなどと共に、各国からの留学生で賑わったという。
ローマ時代遺跡としては、カルド・マキスムス通りの列柱が残っている。

1970年代は「中東のパリ」と呼ばれて、中近東で最も重要な商業都市となった。
西側の銀行金融機関、商社、通信社などが多い。



レバノン国立博物館
レバノン国立博物館


「レバノン国立博物館」

ベイルート観光では、ここは見逃せない。
そうなると午後のひととき、ダマスカス行きのバスに乗る前の時間を利用するしかない。
ビブロスから戻りがてら立ち寄ってもらい、約1時間で駆け足で見学した。

1919年開館、レバノン各地で発掘された考古学遺物が1300点展示されている。
古代、フェニキア、ヘレニズム、ローマ時代の石棺、彫刻、ブロンズ、ガラス、陶器の数々。
展示品の内容において、中東の博物館の中でも最高レベルだと思う。


レバノン国立博物館2
ヘレニズム文化の香りとビザンチン美術の雛型が感じられるモザイク画


一般的に、レバノンは危ない国というイメージがあるようだ。
確かに、数年前までは戦闘や爆弾テロがあったし、イスラエルがミサイルを打ち込んでいたこともある。
現在も要所は軍隊が守っていて、戦車や装甲車、銃を手にした兵士も見かけられる。
近年出張で訪れた相方の話では、日常生活に支障はなく、市民の表情も穏やかで、特に危険という感じはしなかったという。

では、ざっとまとめた、レバノンの現代史を紹介してみよう。

第一次大戦のオスマントルコの敗北により、国際連盟の管理下でフランス信託統治領となる
1926年 レバノン独立 政治的権力の平等を掲げた憲法が発布される
1943年 第二次大戦中 ベイルートは金融商業都市となる
1940~50年 度重なる蜂起
1960年代 平穏な時代 銀行業と観光業が発展
1970年初頭 内政の緊張化
1975年 内戦突入、中東の国際情勢の影響を受けた宗教的な対立

約15年間の内戦では、中央部のダウンタウンが戦場と化した。 多くの民兵が戦死、セクト同士の内ゲバも熾烈を極めた。主に西のイスラム地区、東のキリスト教地区に二分されて、一時期は西地区がイスラエル軍の占領を受けた。

1989年 ターイフ合意で内戦終結
1990年 第二共和制発布 内戦後の復興が始まる

2005年2月 ハリーリ前首相の暗殺。背景にはイスラム過激主義者ヒズボラがあり、シリアやイランの影もチラついているらしい。
2005年4月 シリア軍の撤退
2006年7月 イスラエル兵2名の拉致事件 イスラエル軍とヒズボラの衝突
南東部に激しい空爆、特に南の郊外ハーレットブレイク地区はシーア派が多い。
8月停戦 レバノン国軍と国連駐留軍の派遣で戦闘は一時収束
2007年 道路封鎖とゼネスト、白昼の銃撃戦が勃発
5月 トリポリ郊外のパレスチナ難民キャンプでイスラム過激派と治安部隊が衝突 
 ベイルートにて爆弾テロ事件


写真は上から、大統領宮殿、崩れた建物の残骸 暗殺された元首相の霊廟である。

レバノン内戦あと

レバノン内戦あと2
レバノン内戦あと2

レバノン



再建されたビルが立ち並んでいる中心には、エトワール広場があるが、実質的な繁華街は、
東の丘の上の地区のメインストリート、ハムラ通りである。
目につく文字は、アラビア語よりもアルファベットが主流で、ちょっと驚く。
洋風の舗道を歩いていると、イスラム圏とは思えないようなお洒落なブティックのウィンドーが並んでいる。
おなじみのファーストフード店もあるし、中華レストランもあって、日本人にも安心な食生活が出来る。

レバノンの宗教人口の割合は、イスラム教徒70% キリスト教徒30%とある。
イスラム教とキリスト教の共存を象徴するかのように隣り合っている、聖ジョージ教会とムハンマド・アミーン・モスクが印象的だった。
このモスクは、イスタンブールの寺院をそのまま持ってきたような形をしている。


中東にありながら、キリスト教徒が多いということは聞いていたが、 アルファベットが主流というのも意外だった。宗教や文化が混在し共存する地域というのは世界にいくつかあるが、本当に興味深い。
韓国がK-POP文化を確立したように、中東のお洒落なアラブPOP(歌謡曲)があり、実はその殆どがベイルート発信なのだ。
古代から近代、そして現代にわたって、西側世界が中東に打った楔、それがベイルートの持つ性格といえまいか。

欧米諸国とイスラムの狭間にあって、現代史の荒波の中を浮沈していくモダンな戦艦都市、それがベイルートの役割なのだ。



美雨


シバの女王やクレオパトラの宮殿にも登場する伝説のレバノン杉と国旗そのままの切手
伝説のレバノン杉    国旗そのままの切手

スペイン旅行の経由地パリ・シャルルドゴールで撮影。レバノンの国営機に遭遇、おお!
2012.07.25に撮影 スペイン旅行の経由地パリ・シャルルドゴールで撮影。レバノンの国営機に遭遇、おお!
エアバスA320機材。今度Neoファミリー受注したらしい。ME.Air、リッチですネ~(>_<)

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Comment

kikiさま 

kikiさん、こんばんは!
今年もはや10日が経とうとしていますね。(>_<)

私も実というと、実際行って見るまでは、レバノンとかベイルートと聞いても、全くピンと来ない国でしたが、なぜかレバノン杉という木だけは、すごく親近感がありました。(笑)
というのも、少年少女文学全集などに出てくる、ソロモンやシバの女王のエピソードで、kikiさん仰る通り大王がこの木を讃えてたり、この木で建てた宮殿を自慢していますし、聖書でも、植物編では葡萄の次くらいに、例えに引用されていたからです。
ただ、昔からの乱伐がたたって、この杉は絶滅の危機に瀕しているそうで、2000年代から植樹活動が行われているとか・・・。
写真で見ても、インスピレーションを感じるほどに本当に美しい木ですね。
古代から、聖書や歴史の表舞台で活躍してきた聖なる樹木ですから、大切に保護していってほしいですね。^^
  • posted by MIUMIU美雨 
  • URL 
  • 2013.01/10 00:52分 
  • [Edit]

レバノン杉 

古代のお話や映画で耳にした記憶がありますが
初めて見ました。
立派な杉ですね~@@
お豪邸がいくつ建つのでしょう?
うふふ、庶民ですね~。
女王様や大王様の宮殿とかに使われたのでしょうネ。

飛行機のマークがこの木なんてやはり由緒があるんですね~v-255v-353

レバノンとベイルート?v-15
美雨さんのブログでないとお目にかかれないようなお話です。
私もパリ空港からこんな綺麗な飛行機が見たいな~><

美雨さん、風邪ですか?
お大事にしてくださいね~。v-300
  • posted by kiki 
  • URL 
  • 2013.01/09 21:12分 
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拙ブログのベイルート記事にコメントをお寄せ下さった方々へ 

ggさま、三代目さま、sunnylakeさま、かえるママさま、ぴおーね親父様、betipaさま、p21005さま

確定申告の計算を忘れていて、大慌てで領収書と格闘しておりました。(>_<)
なんとか間に合いそうです。いつもこの調子のワタシ、皆さま ご無礼お許しください。m(__)m

皆さまのご指摘の通り、レバノンはまだ危ない国、というイメージ、確かにありますね。
イスラエルから打ち込まれたミサイルがベイルートの市街地に落ちて、建物が崩れたというニュース映像がテレビに流れていたのは、ほんの数年前のことで、まだ記憶に新しいです。
まだ観光では行ってはいけない国という印象がありましたが ここ1~2年でしょうか、レバノンをいれたシリア&ヨルダンの3カ国ツアーも出るようになりました(先日のシリア大虐殺のニュースは本当に残念です、胸が痛みます)。 相方が言うには、レバノンに関してはもう観光で入国しても、全然平気という雰囲気だそうです。ただ、時折、戦車や銃を構えた兵士を見かけるので、平穏な国からやって来た人々は、ドキリとするかもしれません。

それにしても、たいへんな現代史を歩んでいる国ですね。
建物の残骸を見てサラエボを連想してしまう人も、少なくないのではないでしょうか。
イスラム原理主義側にとっては、拝金主義に陥って堕落した政権の西欧化政策が我慢ならないわけですから、水面下での抗争はまだ続くのでしょう。
サラエボ、モスタル、ベオグラードの爆撃現場も凄惨なものがありましたが、戦乱の時代の証言として、後世に残すのも、あるいは必要なことかもしれませんね。

皆さま、どうぞ素敵な一日をお過ごしください。^^
  • posted by MIUMIU美雨 
  • URL 
  • 2012.03/13 07:32分 
  • [Edit]

こんにちは 

こんにちは。はじめまして。
いつもブログ楽しく拝見させていただいてます。
レバノンはまだ自分は行ったことがないです。今度の夏あたりの旅行先の候補に入れてみたいと思います。

ところで、韓国のある青年が日本のネットユーザー達によって攻撃されています。
彼はジョーダンである動画をyoutubeに公開しました。それが原因で日本ネットユーザーが怒ってます。

参考動画↓
http://www.youtube.com/watch?v=D21s0NJuY1c
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17220256

  • posted by p21005-ipngn100507fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp 
  • URL 
  • 2012.03/13 01:36分 
  • [Edit]

こんばんは 

レバノンを含む中東はあこがれと同時に怖さも感じなかなか行けないところ。
なので、今日のように行った気分になれるお写真と説明はとってもうれしいです。
古代史が好きなので、アッシリアとかバビロニアなどなどには反応してしまいます~(笑)
  • posted by betipa 
  • URL 
  • 2012.03/13 00:47分 
  • [Edit]

NoTitle 

ベイルート 仰るとおり 
なんか 危険な 町のイメージが。
街と言うより 国そのものが ちょっと 危なそう!
そんな事思ってしまうのは 私だけなんでしょうか。
  • posted by ピオーネ親父 
  • URL 
  • 2012.03/12 22:49分 
  • [Edit]

NoTitle 

美雨さんが仰る様に、中東は危険な所というイメージがありました。でも、こうして、記事で色々と教えて下さって、未知なる地も知る事ができて、ブログというもののお陰で、美雨さんの知識、経験に触れる事が出来たようで、とても嬉しく思います。
知らないからこそ、怖れるんですね。
これで、また行ってみたい場所が増えました。
彫刻や陶器など、芸術作品は実際に自分の目で見てみたいものです。
素敵な記事を、ありがとうございました。

↓そうでしたね。
youtubeの曲は、天使君が、美雨さんが指のお怪我で弾けなくなったバイオリンの曲を、急遽ささっと、弾いて出かけられたエピソード、しっかり覚えてます。
あの曲でしたね。
お馬鹿なコメントお許し下さい。m(__)m
  • posted by かえるママ21 
  • URL 
  • 2012.03/12 14:11分 
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NoTitle 

ベイルートという都市は名前は聞いたことがある程度でした。
美雨さんの記事を読ませていただいて、歴史や文化についてとてもよく分かりました。
いつも勉強させていただきありがとうございます。
  • posted by sunnylake 
  • URL 
  • 2012.03/12 13:47分 
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NoTitle 

こんばんは。

フェニキア、バビロニア、アッシリア・・・

これらの言葉だけでも酒精分の高い、芳香なお酒を舌にのせたような感じで気持ちよく酔えそうな気がします☆(下戸のくせにw)

素敵な一杯をありがとうございました☆
  • posted by 三代目 
  • URL 
  • 2012.03/12 01:09分 
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NoTitle 

Blogの流れを止めてしまうコメントをお許し下さい

震災から一年が経ちました。
美雨さんには本当に暖かいご支援をいただきましてありがとうございました。
たくさんのあたたかい言葉で乗り越えてきました
本当に有り難うございます

  • posted by gg 
  • URL 
  • 2012.03/12 00:53分 
  • [Edit]

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MIUMIU 美雨

Author:MIUMIU 美雨
旅、歴史、長編ドラマ(短編も)のレビューやエッセイを書いています。
文化系の記事が多いですが、歴史ドラマ(大河ドラマ:八重の桜)や、韓ドラレビューも書きます。中でもソン・イルグクさんの作品が大好きです。
更新はマイペースで続けていきますのでどうぞよろしくお願い致します。

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