美雨の部屋へようこそ

世界の旅日記や 文化、歴史のぷち・エッセイを書いています。他にも海外、国内のお気に入りのドラマのあらすじ&感想を勝手気ままに綴っています。

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洋行しなかった文学者たち

洋行しなかった文学者たち


洋行を望みながらも叶わなかった文学者の思いは、萩原朔太郎の詩のフレーズに表れている。
 
ふらんすへ行きたしと思へども、ふらんすはあまりに遠し 
 せめては新しき背広をきて きままなる旅にいでてみん 


洋行したかった朔太郎




明治生まれの作家や詩人たちの出自を見ると、いずれも裕福な家に生まれている。
しかし当時、個人で海外旅行を実現するための資金額は並大抵ではなかったであろう。日本文学は欧米の文学に触発されながら、独自の世界を創り上げていくことになるが、必然的に日本の風土を舞台として、人間の内面や日常生活に素材を求める方向に進み、一部においては私小説が盛んになっていく。
幾人かの作家詩人の名前を挙げるが、自分の贔屓目が反映されているのはご了承を。

北原白秋
1885.-1942年 57才没 結核

石川啄木
1886.-1912年 26才没 結核

萩原朔太郎
1886.-1942年 55才没 急性肺炎

芥川龍之介
1892.-1927年 35才没 自殺

中原中也
1907.-1937年 30才没 結核

太宰治
1909.-1948年 38才没 心中

短い人生を駆け抜けた天才たち。明治生まれの日本人作家は綺羅星のように輝いて見える。
自分は既に彼らが生きた平均年数を大方過ぎてしまったが、何も自らの足跡を残してはいない。

特徴的なのは、死因が肺病、長らく不治の病とされていた結核によるケースが多いことである。
1882年、コッホによって結核菌が発見されたが、治療法が確立するのは、かなり後のこと。
1943年にストレプトマイシンが開発されるまで待たねばならなかった。一般的に応用されるのは戦後しばらく経ってからで、日本では子供のうちにBCG予防接種を施すようになり、そのお陰で結核は激減した。現在人の長寿は医学の発達の賜物である。



洋楽を嗜んだ朔太郎 自筆の楽譜
朔太郎1
マンドリンの名手でもあった


上に挙げたのは詩人、または、詩人的な小説家であるが、室生犀星、宮沢賢治、堀辰雄などもそうである。
肺の病は、息の苦しさのなかで、命の切なさに至らせてくれるのだろうか。
だからといって、弱くはなくて、清らかにして、しなやかな、つまりは、したたかな抒情を備えている・・・肺を病んでから、詩が良くなるという詩人は少なくないようだ。
ともすれば、良い詩を書くにはちょいと肺を患えばよい訳だ、という朔太郎のシニカルな笑いが浮かんでくる。

洋行しなった文学者に共通しているのは、芥川龍之介は例外として、学歴が途中で挫折したりして、当時の社会から、優等生として見られなかった、つまり、洋行出来るような社会的なエリートではなかったこともあるようだ。



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Comment

NoTitle 

学業の挫折、繰り返される渡航、そして病。
それって正に今の僕にすべて当てはまります。
そうか!僕には文学の素質があるのかもしれませんな。

という冗談は置いといて、死を予感してからの作家の人生は、また一つ書く力が湧いてくるのかもしれませんね。
  • posted by べぇべぇべぇ 
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  • 2016.07/02 07:23分 
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  • 2016.06/19 23:14分 
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  • 2016.06/16 09:35分 
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  • 2016.06/15 08:42分 
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かえるママさま 

こんばんは^^
ロマン派の頃、肺病は薄倖のヒロインの最期の姿として象徴的なイメージが付与されていた時代もありました。自らの死を予期することで、さらに感覚が研ぎ澄まされるのでしょうか。現実的な幸せを享受している人は、内面に向かわない傾向があります。
かえるママが以前提起して下さった、生い立ちの不幸、貧困、差別、病い、老い、死期など、ままならない現実の中でもがき、自分の内面や孤独と向き合った人こそが、心に響く詩を書くことができるのではないでしょうか。
しかしながら、日本の詩人の中にはアウトサイダー&無頼派的な性格が強く反体制的で破滅型のタイプが顕著に見られるのも事実です。これはフランスの詩人、ボードレール、ヴェルレーヌ、ランボーの影響が影を落としているのでしょうか。いかにも詩人と官費留学生は結びつきませんね(笑)
すみません、渦中の枡添都知事などを思い出してしまいました。こちらは酷すぎて、比較にもなりませんね。
  • posted by MIUMIU 美雨 
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  • 2016.06/06 20:08分 
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  • 2016.06/06 07:50分 
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こんばんは 

結核は不治の病でしたし、海外旅行は選ばれた一部の人しかできなかった・・・
時代ですね。
でも、願いが叶わないからこそ、病んでこそ、挫折と困難が良い作品を生ませるのかもしれませんね。

なぜだか、フジコヘミングさんの美しいピアノの音色を思い出してしまいました。

我々も美雨さんの今日の記事の様に、近い過去のすぐれた文学作品や作家、彼らのおかれてる時代背景にも思いを馳せて、我々の今置かれてる状況を改めて知るべきですね。
美雨さんのおかげで、視野がほんの少しだけ広がった気がするかえるままです。
  • posted by かえるママ21 
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  • 2016.06/03 23:03分 
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noboさま 

こんばんは。^^
いつもありがとうございます。
  • posted by MIUMIU 美雨 
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  • 2016.06/03 20:15分 
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NoTitle 

早すぎる天才の死
  • posted by nobo 
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  • 2016.06/01 11:46分 
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tedukuridaisukiさま 

こんばんは^^
早々にコメントありがとうございます。

本当に、いい時代になりましたね。
病気はだいたい治るし、飛行機だって進化して2日あったら世界中どこへでも行けます。

だいぶ前に画家の大山忠作先生が話されていた口癖は
「いたずらにヨワイを重ね・・・」と挨拶などで使われますが、正に私たち自身そういう年齢に
入っていくわけで、何をやっているのか私は?と振り返れば何もこの世に残していないわけで、赤面の至りであります。

最近見た映画に「FAULT_IN_OUR_STARS」というのがありました。
あらすじでは、若い男女癌患者の末期を描いた作品です。
残された短い時間をどう生きるかを切なく綴っております。
本当は、誰でも明日死ぬかもしれないのですよね。

人生50年と言われた時代と現在の違いは、余命があると思い込んでいるだけなのではないでしょうか。
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2016.05/31 23:54分 
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NoTitle 

今でこそ海外旅行は気楽に行けますけど
昔は注射とかもしないとならなくて
お金と日数がかかって
かなり大変だったんでしょうね。
個性の強い彼らが結核とかにもならず
海外に行っていたら
また別の作品が生まれていたかも
  • posted by tedukuridaisuki 
  • URL 
  • 2016.05/31 23:01分 
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MIUMIU 美雨

Author:MIUMIU 美雨
旅、歴史、長編ドラマ(短編も)のレビューやエッセイを書いています。
文化系の記事が多いですが、歴史ドラマ(大河ドラマ:八重の桜)や、韓ドラレビューも書きます。中でもソン・イルグクさんの作品が大好きです。
更新はマイペースで続けていきますのでどうぞよろしくお願い致します。

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